ぽこ あ ぽこ  音楽教室  岐阜ピアノ教室

岐阜県羽島郡笠松町にある 「ぽこ あ ぽこ音楽教室」
ピアノ、ソルフェージュを
丁寧に指導しています

先日、吹奏楽部のあり方について書きましたが、
今日は吹奏楽のコンクールについて。


コンクールそのものは反対ではありません。
私自身、生徒をピアノコンクールに出場させています。

でも、ハイリスク、ハイリターンなのがコンクール
たった一度の舞台が、
ものすごく大きな成長を与えてくれる一方、
周囲の大人は、相当気をつけないと、
本当に危険なものだと思っています。

子供たちは、驚くほど簡単に、
間違った道へと進んでいきます

それを予防、阻止できないのであれば、
その自信がないのであれば、
指導者はコンクールに出すべきではないとすら思っています。


コンクールを1つの目標として頑張ることは、
いいことだと思います。

人は、何が難しいかって、モチベーションの維持です。
そのためには、分かりやすい目標が必要な子がほとんどです。

漠然としたものや、
さっぱり見えない将来のために頑張れる子は、
ほんの少数です…。
それだけで、既に「才能がある」と思えるほど、
そういう子は少ないです。

ですから、発表会やコンクール等が存在するのだと思います。


しかし、コンクールは勝負です。
点数をつけられ、順位をつけられ、合否を決められます。

芸術を点数で評価することの難しさは、
皆さん、容易く想像できることでしょう。


純粋に演奏を楽しめる団体もあります。
「参加することに意義がある」という団体もあります。

しかし、受賞に躍起になっている団体もあります…

生徒たちにとって、受賞が大きな糧になると考えて、
いい意味で必死に頑張っている先生もいれば、
先生ご自身のプライドのために、生徒のお尻を叩いて、
何とか受賞してもらわないと困ると考えている先生もいます。



変な話ですが、勝つ音楽というのがあります。
そして、勝てる曲というのがあります。

ピアノコンクールでも、
「コンクールを通すのにはコツがある」と
豪語する先生もいらっしゃるほどです。

私は、そういう話を聞くと、悲しくなります

勝つ音楽って何なんでしょう。
勝たせる音楽って何なんでしょう。

音楽ってそういうものじゃないと思うんです。

それを、真っ白な状態の子供に刷り込ませることが、
本当に教育なのでしょうか…。


コンクール会場では、生徒たちが、
他校のミスを喜ぶ姿を見かけることがあります。
他校の上手い演奏を見ると、ガッカリしています。

それって、おかしいと思いませんか?

人のミスを喜び、人の成功を喜べない。
私の生徒がそんなことをしたら、間違いなく叱ります



そう言えば、高校生の時、声楽コンクールを受けました。

「前の子がすっごく上手でも、気にしちゃダメよ」と、
先生はアドバイスしてくださったのですが、私は、
「前の子が上手だったら、気持ちよく歌えると思います。」
と答えて、先生は、何故かすごく喜んでくださいました。

「じゃあ、前の子がたくさんミスしたらどうするの?」と聞かれ、
「一緒に動揺してミスしないように気をつけます。」と答えて、
「あなたはしっかりした子ね」と言われました。

その時は、先生がなぜ褒めてくださったのか
分からなかったのですが、
多分、私が人のミスを笑い、
人の成功を悔しがる子ではなかったことを、
褒めてくださったのだろうと思います。


私自身、コンクールにはちょくちょく出ていましたが、
よく振り回されなかったなぁっと我ながら思います。
でも、実際は、両親も先生も、
上手にフォローしたり、サポートしたりしてくれていたんだなと、
大人になってから分かりました。

確かに、もともと、他人と比較することなく、
自分の中に、自分の物差しがしっかりとある子でしたが、
さすがに、私一人の思考能力だけで、
そういうものに振り回されないで
生きて来れなかったと思いますから。

本当に感謝、感謝です



また、コンクールで賞の受賞を目指して、
親までもが必死になり、親が生徒の出欠から、
服装までをチェック。
「風邪でも休めない」ほど、厳しい学校もあるそうです。

マーチングの有名高校は、
重い楽器を担ぎ、ひどい腰痛になり、
サポーターを巻いて、何時間も練習するとか。
あまりの苦痛に、涙が溢れて止まらないと聞きました。


苦労は必要です。
青春時代、がむしゃらに頑張ることもいいことです
得られるものがたくさんあります。
その先に、見えるものが必ずあります。

でも、心と体の故障は、未来を潰しかねません。


音楽に限らず、運動部でも、
過度なトレーニングによる故障が問題になっています。

これまた、身体のことを熟知していない、
スポーツ学を専門的に学んでいるわけではない、
「高校生まで野球部だった」
「中学時代陸上部だった」という理由で、
先生方が指導をするのですから…。

高校野球なんかは特に、ピッチャーで勝つことが多いですから、
無理な連投を続けて上の方に登りつめても、結局肩を潰して、
プロ野球からのオファーが
白紙になってしまうケースもあるそうです。

最近では、プロの世界でも、
日本のマラソン選手のあまりの故障の多さに、
トレーニング方法が問題になっています。

その時、優勝すれば、あとはどうなってもいいのか…。

私は、日本人の好きな、
「一花咲かせられれば、あとは散ってもいい」という
桜の美学は好きではありません。
地味だけど、しぶとく咲き続ける梅の方が好きです。

もしあの時、監督の指示を断っていれば…
無理をして投げなければ…
っと後悔している元優勝高校ピッチャーの姿を、
私はステキだなとは思えませんでした。

過去の武勇伝や美談だけでは、人間食べていけません。
結局のところ、地道にコツコツと頑張ってる人間が、
最後の最後まで、自分のやりたいことをやって、
幸福に生きられるような気がします。


私のピアノの師匠がおっしゃっていました。

「僕より上手い人間が、若い頃、どんどん辞めて行った。
僕が今、ピアノの演奏で食べていけるのは、
僕が辞めずに、ずっとやってきたからだと思う。
僕の場合、長い時間をかけて、
少しずつ上達してきたという感じだね。
結局、続けることが大切なんだよ。
続けていなければ、意味がないんだよ。」


教育に携わる方々には、本当に本当に、
「子供のため」を考えてほしいなと思います。

もちろん、私自身も、ずっとずーっと、
今の気持ちを忘れないでいようと思っています。

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. toughbroad.org
    • December 09, 2016 08:58
    • It an amazing post 吹奏楽の功罪【パート2】 : ぽこ あ ぽこ  音楽教室  岐阜ピアノ教室 in favor of all the online visitors; they will take advantage from it I am sure.
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